年末年始の恒例行事といえば「忘年会」や「新年会」。近年は働き方改革やコロナ禍の影響もあり、開催を控える企業も増えていました。しかし、パーソルホールディングス子会社のパーソルキャリアが行った調査によると、2025年の忘年会に参加したいと考える20代は7割を超え、若い世代ほど参加意向が高いことが分かりました。これは非常に示唆に富む結果です。この調査では、20〜50代の就業中の男女421人から有効回答を得ています。職場で忘年会が開催されると回答したのは69.1%、参加意欲があるのは全体で60.1%でした。年代別に見ると、20代が71%と最も高く、30代は57.8%、40代は55.1%、50代は48.3%と世代が上がるにつれて意欲は低下していきます。理由としては「メンバーとの関係構築」が最多で47.0%、次いで「仕事以外の話をしたい」(33.6%)、「飲みの席だけの話を聞きたい」(33.6%)が挙げられました。
この結果から見えてくるのは、特に20代の若手社員が「職場での人間関係構築」に強い期待を寄せているということです。彼らの多くはコロナ禍の最中に社会人となり、リモートワークや制限のある交流環境でキャリアをスタートさせました。そのため、リアルな場でのコミュニケーションを通じて仲間意識を深めたいという思いが強いのです。忘年会や新年会は、単なる飲み会ではなく、世代を超えた交流の場として重要な役割を果たすと言えるでしょう。
一方で、40〜50代の上司世代からは「ハラスメントリスク」を警戒する声もあります。確かに、過去の飲み会文化には強制参加や不適切な言動など、問題視される側面もありました。しかし、現代の忘年会・新年会はそうした旧来型の慣習を排し、自由参加・健全な交流を前提とすれば、むしろ職場の雰囲気を良くする有効な手段となります。重要なのは「強制しない」「多様性を尊重する」ことです。お酒が苦手な人にはソフトドリンクを用意し、会話のテーマも仕事に縛られないよう工夫することで、誰もが安心して楽しめる場を作ることができます。
また、忘年会や新年会は「非公式な情報交換の場」としても価値があります。普段の会議では出てこないアイデアや、若手社員の率直な意見が飛び交うことも少なくありません。こうした場で得られる気づきは、翌年の業務改善やチームビルディングに直結する可能性があります。特に新年会は「新しいスタート」を共有する場として、モチベーションを高める効果が期待できます。
企業にとっても、忘年会や新年会を開催することは「組織文化の醸成」に繋がります。働き方が多様化し、リモートワークや副業が広がる中で、社員同士の一体感を保つことは容易ではありません。だからこそ、年に一度の節目に顔を合わせ、互いの存在を確認し合う場を設けることが重要なのです。形式ばらず、気軽に参加できる雰囲気を作ることで、社員の満足度や定着率にも良い影響を与えるでしょう。
結論として、忘年会や新年会は「過去の古い慣習」ではなく「未来の職場をつなぐ新しい文化」として再評価すべきです。若手社員の参加意欲が高い今こそ、企業は積極的に開催を検討すべきではないでしょうか。もちろん、強制参加ではなく自由参加を基本とし、ハラスメント防止のルールを明確にすることが前提です。その上で、世代を超えた交流の場を設けることは、組織の活力を高め、働きやすい職場環境を築く大きな一歩となるはずです。
こうした調査結果を踏まえれば、忘年会・新年会は単なる飲み会ではなく「職場の未来をつなぐ場」として、ぜひ実施する価値があると強く提案したいと思います。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000267.000013597.html































